音に関する目安箱  

第一の意見(2025年1月30日)(文責:安藤)
AIJESに関して話し合いをした皆様へ

 昨日は大変お世話になりました。活発な議論ができたと思います。唯、どうしても両者の意見が嚙み合わなかったとの悔いは残ってしまいました。その最たる事項がボール加振源の採用の件でした。この件に関しては帰宅してからも色々考えたのですが、どうしても皆様にここで話しておきたい事項が出来ましたので下記に記してみました。

 タイヤ加振に関しては多くのデータが有り、RC構造の床に対しては、皆が十分納得できる状況にあると思っています。それが起因して、タイヤ加振による評価が真で唯一の評価軸と感じていて、宗教的に言うと一神教的な存在になっているのではないでしょうか?
 ボール加振は皆様も認識しているように、タイヤとは別の加振源です。それ故、評価が異なるのは当然です。話し合いの時に示されたPPTの3-10の図-1の二重床の評価が逆転していることで、濱田さんは「愕然とした」と言い、佐久間さんは「混乱を招く状態になる」との懸念を示しましたが、私にしてみれば、これは当然の結果であり、同じ評価になるはずが無いとも感じました。仮に同じ評価になるなら、却ってボールは不要となります。ボールはタイヤとは別の側面から見る指標だからです。



 即ち、ボールによる評価は宗教的に言うと多神教に例えていいと言えます。先に示した図-1の評価の逆転は、タイヤが真で、ボールが偽と言えるのでしょうか?ボールが真実を示している可能性はないのでしょうか?又、佐久間さんの懸念は、瞬間的には生ずると思いますが、すぐ払拭されるはずです。何故なら、タイヤとボールの評価が異なった場合、ユーザはどうするか?当然、自分にとって有利な方向に向かうはずです。ボールが有利と感ずれば、ボール主体の評価が定着するかもしれません。
 この様にどちらの評価も使えるように提示しておけば、自然と選択されていくのではないだろうか?これこそ多様性の時代にふさわしい提示方法ではないかとも言えます。
 以上、昨日の議論を踏まえての雑感です。より良いAIJESにするために参考にしていただければ幸いです。

NOP法人 建築音響共同研究機構 理事長 安藤 啓

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